キリンとキリン

なんかよくわからない

嘘がテーマの2曲

"愛されたくて

歌:有安杏果

作詞:渡和久

作曲:渡和久

あー 今夜もまんまるお月さま
僕を見下ろし笑ってる
あの娘に会うたびカッコつけちまう
僕の姿がそんなにおかしいかい?

そう 気がつけば もうあの娘のきれいな瞳は
理想の僕を映す鏡さ クールな顔も ラフな仕草も
演じ始めりゃ後にゃ引けない
恋のゲームに「待った」はないもんで

君に愛されたくて 愛されたくて 僕はウソをつく
本当はジャズなんて弾けやしないクセに
君の前ではちょっとムチャしちゃうんだなー

あー 今夜もキラキラお星さま
僕のウワサで騒いでる
あの娘に会うたびカッコつけちまう
僕の行方がそんなに楽しいかい?

そう すきあらば ほらあの娘のかわいい耳元へ
理想の僕を飾るバラードを ソフトな声も キザな言葉も
演じ損ねりゃ後の祭りさ
恋のゲームに「二度目」はないもんで

君に愛されたくて 愛されたくて 僕はウソをつく
本当は歌なんて歌えやしないクセに
君の前ではちょっとムチャしちゃうんだなー

心に形がないのは 音色がないのは
胸にコッソリ秘めて磨けるように
神さまがくれたチャンスなのかもしれない
だから待ってて いつか正真正銘
理想の男になれるまで

君に愛されたくて 愛されたくて 僕はウソをつく
本当はダンスなんて踊れやしないクセに
君の前ではちょっとムチャしちゃうんだなー

つまりは君の手のひらで踊らされてるってコト?
分かっちゃいてもちょっとムチャしちゃうんだなー"

 

"遠吠え

歌:有安杏果

作詞:渡和久

作曲:渡和久

街のざわめきにまぎれ どこかで犬が鳴いてる
何度も何度も そう 絶え間なく まるで誰かを呼ぶように

僕らは言葉を持ってるはずなのに どうしてうまく伝えきれないんだろう
想いはいつも単純なはずなのに どうしてすぐに言葉にできないんだろう

悩み戸惑う前にほらひとつ 沸き上がるままにさぁ強く
胸の奥に閉じ込められた想いを あの空の果てまで

Listen to my voice …

僕らは言葉を知ってるはずなのに
どうしてうまく選び出せないんだろう
想いはいつも山ほどあるはずなのに
どうしてすぐに言葉にできないんだろう

迷いさまよう前にほらぜんぶ 抱き上げたままにさぁ遠く
胸の奥に閉じ込められた想いを あの空の果てまで

そうさ 誰もが孤独な生き物さ だから その声に想いを乗せる
もしも 誰かに届いたのならそれがきっと かけがえのない証

出会いすれ違う前にほらひとつ 夢に描いたままにさぁ強く
胸の奥に閉じ込められた想いを 君のもとへ

たとえ言葉にならなくともぜんぶ いっそ意味さえ成さなくとも遠く
胸の奥に閉じ込められた想いよ 響け 僕はここにいる

Can you hear my voice? …

街のざわめきにまぎれ どこかで犬が鳴いてる
何度も何度も そう 絶え間なく まるで誰かを呼ぶように"

 

有安さんが渡和久さん(風味堂)に曲をお願いしたとき「嘘」がテーマということだった。

 

なぜ有安さんがこのときに嘘をテーマにお願いしたのか私はメッチャ興味ある。

 

渡さんは3つの作品を準備したという。

 

一つは「愛されたくて」

この曲の印象は、好きなコに好かれたいから嘘をつく。しかしそれは無様な嘘なんだがそこが愛らしくもある。

 

もう一つが「遠吠え」

この曲の印象は、「裸」にも似た自分と世間のすり合わせに起きる嘘に感じる。本当の自分と世間で良しとされている生き方。自分に嘘をつきながら生きていくのか、傷つく覚悟で素直に生きていくのか。その嘘をつく辛さが叫びになっていくのなぁ?

 

人に好かれようとする嘘。

世間と上手くやっていこうとつく嘘。

そしてあと一つはどんな嘘を渡さんは準備してくれたんだろう?

 

有安さんが嘘をついてしまうときどんな嘘なんだろう?嘘が悪いと脳停止してしまうんじゃなく、どうして嘘をついているのか点で判断するのではなく線で判断したいな。

 

とはいえ、この「愛されたくて」と「遠吠え」どちらも良曲でどんどん有安さんがモノにしていってるのがわかる。私は有安さんがハッキリと光と影を共有しているのがわかるからなんだろうなと思っている。いついかなる時も善を求められ正しいを求められ、それに応えようとしたら辛いという言葉を発することができなくなってしまう。

 

辛い

 

その一言を発してもいいんだよという立ち位置を有安さんは作るのかもしれない。日陰で休む心地よさだって必要なものですよね。